太田じろうの代表作『こりすのぽっこちゃん』はその可愛いキャラクターが人気となり、昭和30年代には漫画だけでなく、テレビ番組『テレビ幼稚園』(ラジオ東京テレビ=現TBS)内で『人形劇 こりすのぽっこちゃん』が放送されていました。
しかし当時、テレビはすべて生放送の時代。
番組そのものも、一部のスチールや、主題歌のレコードといったものでしかその存在を確認することはできなかったのです。
私たちダンクはこれまで、ご遺族のご協力で、太田じろうの原画や当時のグッズを展示してきました。
その遺族のもとへ何度か足を運んでいるうちに、なんとフィルムコレクションがあることがわかったのです。
太田じろう先生撮影のものと、その義父である島田啓三先生(「少年倶楽部」に連載された『冒険ダン吉』の作者)が撮影されたフィルムがたくさん。
なんとその中に、『人形劇 こりすのぽっこちゃん』のフィルム缶があったのです…!!。
その中身は『人形劇 こりすのぽっこちゃん 「ゆうびんやさんのまき」』(放送日時は不明)
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■人形劇 こりすのぽっこちゃん(放送日不明)データ
「ゆうびんやさんのまき」
太田じろう 原画
童夢人形劇
山崎 醇之輔
<声の出演>
富沢 志満
田中 信夫
浅利 信一
むらなか よしえ
遠藤 晴
小鳩 くるみ 他
<人形操作>
中倉冬雄
大町勲康
仲町直子
飯田幸子
松井英子
河合栄子 他
(以上クレジットより)
実際のところ、いつの放送されたものなのか、生放送であるにもかかわらずなぜこの1本がフィルムとして存在していたのか、わからないことも多々ありますが、いずれにしても、太田じろう先生と昭和30年代の番組を知ることのできる大変貴重な資料であることに間違いはないと思います。
プライベートフィルムから見える太田じろう・島田啓三の素顔
また『人形劇 こりすのぽっこちゃん』のフィルムに混じって発見された、太田じろう先生の8ミリフィルムにはご家族との団欒の映像がありました。
なかには太田じろう先生が、当時生放送だった「テレビ幼稚園」に出演した回のテレビ画面を撮影したものもあり、そこでは先生が実際に画を描く様子も見ることができます。
そして義父である島田啓三先生(『冒険ダン吉』の作者)が撮影したプライベートフィルムは映画風の演出が加えられた凝った造りの映像でした。
どれも大変資料価値の高い貴重な映像となっています。
これらは2022年夏にフォーラム・ダンクで開催された『太田じろうの世界展 こばとむらだいはくらんかい』にて一般公開されました。